劇場版 カバさんのミシン

uncycloNana_shiのらくがき帳

おはなしその2 おせっかいなスズメさんのはなし

スズメさんは餌場の近くのおうちで飼われているネコちゃんのことがずっと気にかかっていました。そのおうちのネコちゃんは夜の間じゅうずっと窓辺にいてお星さまを眺めていました。そして時々お手々をチョイチョイと動かしました。お星さまを取りたいのかな、とスズメさんは思いました。ある夜のこと、流れ星がおうちの屋根にひっかかっているのを見つけました。スズメさんはお星さまを拾ってネコちゃんに渡しに行きました。「ほら、どうぞ、欲しかったんでしょう」ネコちゃんはびっくりして言いました。「欲しいなんて言ってないわ、ただ見てただけなのに!かわいそうだから元に戻してきて!」

スズメさんはしかたなく星をまた屋根の上に置きに行きました。「ちがう!元はお空にあったものでしょう!」見ていたネコちゃんが言いました。「お空に帰してよ」とお星さまも言いました。

スズメさんはお星さまをくちばしにくわえてお空へ飛んでいきました。スズメさんはとちゅうで不安になって訊きました。「お空のどのへん?」お星さまが答えました。「もっと上!」ネコちゃんが下から叫ぶのも聞こえました。「もっと上!もっと上!」スズメさんは頑張ってもっと上まで飛びました。だいぶ長い間飛びました。そしてだんだん疲れてきました。「ねえ、まだ上?」スズメさんは訊きました。「もっと上!」お星さまは答えました。それでスズメさんはまたしばらくの間いっしょうけんめい上の方へ飛びました。そしてやがて本当にへとへとになりました。「ねえ、ここらでちょっと休まない?」スズメさんは言いました。「もっと上!もっと上!」お星さまは駄々をこねるように言いました。しかたがないのでスズメさんは気力をふりしぼって休まずにどんどん飛んでいきました。

こうしてお空にお星さまが一つ増えたのです。おしまい!

 

(ここで「どういう意味?」と訊かれたので、「わからない」と答えました)